アメリカ版カタカナ語?アメリカの職場で使うとイラッとされるビジネス・バズワードとは?
人によってはイラッとする、ビジネスの場でよく使われているカタカナ語。巷の社会人男性にアンケートを取ると、以下のような語がイラッと来るようです。
1位 コミットメント(約束、集中する) 149pt
2位 ユーザー(利用者、消費者) 125pt
3位 エビデンス(証拠、確証) 92pt
4位 スペック(能力、性能) 87pt
5位 アジェンダ(議題、課題) 67pt
6位 コンセンサス(合意) 58pt
7位 フィックス(決定) 53pt
8位 ジャストアイディア(思いつき) 42pt
9位 シェア(共有) 41pt
10位 ペンディング(保留、中止) 33pt
昔はみんな日本語で言っていたのに、最近何故かよく使われるようになって、いつの間にか市民権を得ていたカタカナ・ビジネス用語。あまりにも使われたため、陳腐化してしまって、さらには人をイラつかせるまでになってしまいました。
実はアメリカのビジネス現場にもこれと似たような現象があるのです。今回のアジェンダ(議題)はアメリカ・ビジネスシーンでオーバーユース(使用過多)されてしまっているためにミーニングレス(陳腐化)になってしまったバズワード(流行語)をシェアしてみたいと思います。
アメリカ版カタカナ語はコレだ!
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ある業界で流行っている言葉を英語で”Buzzword(バズワード)“と言い、ビジネス業界で使われるバズワードはBusiness Buzzword(ビジネス・バズワード)と言います。そしてアメリカにも日本のカタカナ語のように、使うと胡散臭く聞こえたり他人をムカつかせたりするバズワードがたくさんあります。もちろんアメリカですのでカタカナ語ではなく、そのままズバリ英語なのですが、なんか胡散臭い、他人をイラッとさせるから使わない方がいいという境遇はカタカナ語と同じ。
では、アメリカ、カナダの会社で働く600人以上のビジネスパーソンたちへのアンケートをもとにした、ムカつくビジネス・バズワードをいくつかご覧ください。
いかがですか?この中からカタカナ語として日本のオフィスで使われる言葉が出てくるかもしれませんね。
人々がビジネス・バズワードを使う理由
カタカナ語でもビジネス・バズワードでも同じですが、もはや胡散臭いのになぜ未だに使う人がたくさんいるのでしょうか?アメリカニューヨーク州のホフストラ大学で言語学を教えるロバート・レオナード氏によれば、人々が同じ言葉を繰り返し使いたがるのは、ビジネスの世界に調和しようとしている表れだそうです。
人間は潜在的に「他人に受け入れられたい」という欲求を持っています。レオナード氏は、ビジネス・バズワードはこの潜在的欲求から生まれていると指摘します。
これは、ギャルがいつの時代も意味の分からないギャル語をばかりを使いたがるのと同じ原理です。特定のグループで流行っている言葉を使うことで、自分がそのグループに属しているということをアピールしているのです。つまりビジネス・バズワードもカタカナ語も、ギャル語も、それが一番意味が通りやすいから使われているのではなく、自分がそのグループの「中の人」ですよと主張するために使われているのです。
これを示すいい例があります。ビジネスに特化したSNSサイトLinkedin(リンクトイン)が最近公表した「利用者のプロフィールに最もよく使われている言葉リスト」には、さきほど紹介した他人をイラつかせるビジネス・バズワード(Dynamic、Synergyなど)が多く含まれています。
しかし、よく考えると「I’m a dynamic worker」とプロフィールに記してあっても、Dynamicなどという言葉は抽象的で、人によってとらえ方が全く違い、大したアピールになると思えません。しかしレオナード氏によると、「Dynamic」という言葉を使うことによって、「私はビジネスの世界でよく使われている言葉を知っていますよ。」とアピールしていることになり、就職には潜在的に有利になるというのです。
まとめ
このように人がカナカナ語を使うのには深い理由があるのです。みなさんも上司や同僚がカタカナ語を使っていてもイラッとせずに、「この人はみんなに受け入れてもらいたくて愛に飢えているんだな。」と温かい目で見守ってあげましょう。また就職したての新社会人や転職組は、もし新しい職場でみながわけのわからない言葉を使っていたら積極的に真似をしましょう。そうすれば早く溶け込めるかもしれません。